近藤公人の事件簿

弁護士近藤公人が恐喝事件の被疑者国選で弁護人活動をした雑感をご紹介します。本人に出会って、話を聞くと青年は入れ墨を消す約束をしてくれました。そして、被害者とも示談が出来ました。

被疑者本人に会うと

スキンヘッドと入れ墨に被害者、これはヤクザだと思いましたが、話を聞くとヤクザとは全く関係がありません。単に入れ墨を彫ってその時に痛い思いをして、これを我慢すれば自分は強くなれると思い、入れ墨を彫ったというだけです。金額も多額でなく正当な金額の請求でした。入れ墨前の写真の青年を見ると普通の青年でした。

被疑者国選弁護で

恐喝事件の弁護人となりました。前刑も恐喝事件で執行猶予期間中の犯行です。誰もが正式裁判で実刑だと思います。
前刑は、彼女がお金を貸していたのでそれを取り戻すために脅した事件です。今回は、彼女が浮気して、その浮気相手からお金を取ろうと、深夜に呼び出し、入れ墨を見せて、恐喝したという事件です。被害金額は1万円ですが、あと9万円支払う約束をしました。

被疑者とは、入れ墨を消す約束をしました。理由は「痛い思いをしてこれに我慢すれば自分が強くなれると思ったのであれば、もう我慢して彫ったのであるから、入れ墨は必要ではないでしょう」と言ったところ素直に約束をしてくれました。被害者とも示談することが出来ました。

執行猶予期間中の再度の事件ですから

通常は正式裁判です。検事も家庭環境、被害金額、実際に浮気があった事実を考慮して実刑はかわいそうだと思い、不起訴にしてくれました。担当検事が違っていたら結論が変わっていたかも知れません。