1.不動産賃貸借契約において注意すべきことには?
基本的な手続きとして、重要事項の説明を受け、重要事項説明書と契約書の内容をしっかり確認し、分からないことがあれば質問することです。重要事項説明書、契約書等の書類をしっかり受け取ることが大事です。
これらは、トラブルになった際の重要な資料になります。資料や証拠の確保という点では、契約に際して、室内等を十分確認して写真を撮っておくことも大事です。フローリング、壁、クローゼット等に大きな傷などはないか、備付器具は正常に動くかなどを確認することは、修繕費の負担に関するトラブルを未然に防止するために重要です。
2.具体的に、契約書のどのようなところを確認すればよい?
敷金の返還については、契約終了による明渡後当然に一定額を差し引く、いわゆる敷き引き契約があるか、あるとして差し引かれる金額はいくらか、原状回復費用の負担はどのような場合にあるのか、このような点を確認されてはいかがでしょうか。
解約の申し出はいつまでにしないといけないのか、解約するにはどのような方法によればよいのかといった点も挙げられます。
更新についても、更新の方法や更新料も確認する必要があるでしょう。更新に関しては、更新のない定期借家権がどうかは重要です。
定期借家権の場合は、期間が満了すれば賃貸借契約は確定的に終了し、明け渡さなければなりません。ただ、定期借家権の場合には、契約の前に、借りようとする人に対して、更新がなく期間の満了によって終了することを書面で交付しなければ、定期借家権として効力が生じません。重要事項説明書に定期借家権であることが記載されていることが多いです。このような手続きによって、賃借人が不測の不利益を受けることを防止しようとしています。ただ、十分な説明もなく書面だけを交付されるようなおそれも考えられるので、定期借家かどうか注意するに越したことはないです。