ピースメッセージ2013

8月6日広島9日長崎に原爆が投下されてから68年。滋賀第一法律事務所の弁護士玉木昌美、近藤公人、永芳 明、樋口真也、事務局は、唯一の被爆国として核兵器廃絶の取り組みに参加しています。各弁護士のメッセージをご紹介します。

戦後68年が経過しました。これまで、憲法9条のおかげで、日本が直接の戦争の当事者になったことはありません。昨今、この憲法9条を「改正」して、日本が戦争することができるようにしようという動きがあります。

しかし、日本に平和をもたらした、この憲法9条を「改正」する必要はありません。今回の参議院選挙で、「改憲」を主張する人たちが議席を伸ばしました。今後、憲法9条の改正に向けた議論が進むかもしれません。

でも、今後「戦時」を迎えることなく、平和な「戦後」が続くよう、願わずにはいられません。

弁護士 永芳 明

 

私は、昨年、戦争のことを忘れてはいけないとホームページで書きました。しかし、今や、日本人のうち戦後生まれは、億人を超えています。私は、父方母方、双方の祖父母から戦争体験を聞く機会が多くありましたが、身近に戦争体験者がいない若い世代も多いと思います。そういう世代にとって、平和を心底、実感する時とはどんな時なのでしょうか。私などは、休みの日に、鴨川を散歩したり、植物園にいると、「あー平和やなー」と感じます。そこには、戦争も、憲法もありません。平和と戦争は実感として結びつかないのです。それでも、私は、祖父母からの戦争体験をよく聞いていたからか、少なくとも、8月6日、9日、15日や、祖父の墓参り等の時には、戦争のことを話していた祖父の姿を思い出します。また、私は、法律家なので、平和と憲法のことも考えたりします。

では、法律家でもないし、身近に戦争体験者がいない若い世代は、どのようにして平和を戦争と結びつけて実感し、平和のことを真剣に考えればよいのでしょうか。戦争や憲法とすぐには結び付かなくても、ささやかな平和を大事にする気持ちがあれば、いいのではないかとも思ったりもしますが、皆さんはどのように考えますか。

弁護士 樋口真也

 

自衛隊と憲法と乖離があるので、憲法を変え軍隊を持とうという動きがある。

自衛隊は、法解釈的に違憲なのか。法解釈では、以下の通り専守防衛であれば合憲とされている(私は違憲説であるが)。国である以上、自衛権を有する。しかし、憲法9条2項で、「戦力」を放棄したので、軍隊を持てないが、「戦力」に至らない自衛権を行使できる。よって、自衛隊は、「戦力」に至らない自衛権の行使にとどまるので合憲である。これが内閣法制局の一貫した考え方である。

そして、自衛隊の海外派遣法は、この解釈の枠内で行われている。しかし、集団的自衛権の行使は、9条2項に抵触し認められない。政府見解によれば、決して、憲法と自衛隊は、乖離していないのである。

弁護士 近藤公人

 

「世界九条会議・関西2013」の成功へ
この7月の参議院選挙の結果、自民党が圧勝し、改憲勢力は3分の2に達しなかったものの、大きく過半数を超えました。衆参のねじれ現象は解消し、自信を得た安倍内閣は9条、そして、その露払いとしての96条改憲に向けて邁進するでしょう。選挙のときには世論を考慮して改憲を全面に打ち出すことはしませんでしたが、今後集団的自衛権行使を認め、「戦争をする国」に変えようと明文改憲・解釈改憲を進めることは確実です。
そうした中、日本国憲法の意義、その平和主義、平和的生存権の重要な価値を再確認し、国際社会において、平和への権利を人権として認める運動をさらに強化する必要があります。
今年10月13日午前10時から大阪市中央体育館で、「世界九条会議・関西」という1万2000人の集会が予定されています。国際的にも著名な方がゲストとして参加されます。
滋賀における憲法運動をさらに拡大強化し、改憲勢力の野望を打ち砕くべく、この大集会にみんなで参加し、成功させましょう。きっと、憲法9条が日本にとっても世界にとってもますます光り輝くものとなることを確信できると思います。

弁護士 玉木昌美