何歳まで走れるか 人間の可能性

弁護士 玉木昌美

2017年9月17日、台風をものともせず、岡山県井原市のぶどうの里ふれあいマラソン5キロに出場した。ぶどう畑の起伏の激しいコースの大会で5キロでも走りごたえがある。2013年には25分台、2014年では26分台で走っていたが、今年は27分43秒で49位(50歳以上男子 申込者203人中)。加齢による衰えが見える。何年か前のこの大会で70代の方に「お元気ですね。」と話したら、「わしはまだまだ若造や。」と言って、別の方を連れてきた。何とその方は96歳。ゼッケンをつけて選手として同じコースを走るのだ。その方は、「この大会は30数年前に段取りして始めた。」とおしゃっていた。96歳でも走ることができることはすばらしい。マラソンは生涯スポーツとして位置づけられる。その翌年もその方は97歳で走っていた。

井原市には著名な彫刻家平櫛田中の美術館がある。その平櫛の言葉に「六十、七十は鼻たれ小僧。男ざかりは百から百から。わしもこれからこれから。」とある。そういえば、2016年3月、板橋cityマラソンで久しぶりに約5時間かけてフルを走ったとき、先行する「83歳です。」とのタスキをかけた男性ランナーを最後まで抜けなかったことがあった。鼻たれ小僧の私には無限の可能性があるようだ。