ピースメッセージ2012

8月6日広島9日長崎に原爆が投下されてから 67年。滋賀第一法律事務所の弁護士玉木昌美、近藤公人、永芳 明、樋口真也、事務局は、唯一の被爆国として核兵器廃絶の取り組みに参加しています。各弁護士のメッセージをご紹介します。

 

私は、戦争を知りません。でも、祖父母は戦争体験者なので、幼い頃からよく戦争の頃の話を聞いていました。祖母からは、大阪大空襲で、家が焼け命からがら逃げ惑ったこと、近くに1トン爆弾が落ち、人や馬が吹き飛ばされ電柱や電線に引っかかって命を落としていた悲惨な様子などその当時の様子を鮮明に語ってくれました。また私が一番尊敬している亡き祖父は、寡黙で戦争についても多くを語ることはなかったのですが、晩年、戦時満州に滞在していたこと、その後約4年間にわたりシベリアに抑留されていた頃の生活、帰還後の苦労などを詳しく話してくれました。今後近いうちに戦争体験者はこの日本からいなくなります。あの戦争は自分たちには関係のない遠い過去のもの、そんな風になっては絶対にいけないと思います。今の私たちがあるのは、あの戦争時代を苦しみながらも生き抜いてくれた方々のおかげだからです。少なくとも、長崎、広島の原爆、終戦に至ったこの8月には、あの戦争によって命を奪われたすべての方の無念に思いを馳せ、絶対戦争はしてはいけないとの思いを強く再認識したいと思っています。誰もが平和を願い、平和の大事さを胸を張って言える日本であってほしいと切望します。

弁護士 樋口真也

 

今年で,終戦から67年が経つそうです。私は今年42歳,「戦後」の約3分の2を生きてきました。その間,元号が「昭和」から「平成」に変わり,日本人の大半にとって,戦争がどんどん過去の出来事になってきています。
しかし,危険な兵器,オスプレイが日本に配備されたり,普天間基地の移設問題が解決されなかったり,被爆国である我が国で原発から放射能漏れが起こったり,国内でも,戦争に関連する問題が絶えず起こり続けています。海外では,イラクはアメリカ軍が撤退しても安定せず,シリアでは内戦が起こり,絶えずどこかで戦争が続き,犠牲者が出続けています。
国内,国外の色んなことを考えるときに,戦争のことを忘れないようにしたいと思います。

弁護士 永芳 明

 

戦争は、命を奪うのは当然であるが、戦争で命を奪われなくても、その人の人生を奪う。戦争は個人の尊厳と相容れない。平和しかない。

 刑法の視点で、戦争を見よう

 戦争は、相手国の戦闘員や国民を殺す行為、すなわち、国家による殺人行為である。なぜ、国家であれば、殺人罪が免責されるのか、わからない。

 ミサイルで建物を壊せば、建造物損壊罪に該当する。

 日本政府は、武器や戦闘員の輸送(兵站)は戦争行為ではないという。しかし、犯罪行為をする人を犯行場所に運ぶ行為は、少なくとも、「幇助犯」として、処罰される。通常は、正犯として処罰される。兵站行為は、違法である。

弁護士 近藤公人

 

日本国憲法9条2項は、「戦力は持たない、戦争はしない。」としています。この規定が「日本を戦争ができない」と権力を縛っています。これは画期的なことです。「自衛隊は実質軍隊ではないか、他国が国際紛争に武力で介入するとき、日本ができないのはおかしい。」などと改憲勢力は言います。しかし、自衛隊は軍隊とされていないから、他国の人を殺すことも、他国の人に殺されることもないのです。そうした状態が60年続きました。日本のこどもたちは徴兵制もなく、幸いにして「戦争を知らない。」のです。「軍隊は国民を守らない、武力で紛争を解決することはできない。」これは歴史の教訓です。原発だらけの日本を攻めるのに核兵器は要りません。他国が日本を攻撃しようとするなら、原発に通常爆弾を落とせば足りるのです。しかし、抽象的に「攻められたら。」と軍隊で武装することを考える必要はありません。日本が武装すれば、戦争中毒のアメリカの侵略戦争の片棒を担ぐだけなのです。ベトナム戦争、イラク戦争等を見れば明らかです。それでも憲法9条2項を変えたいですか。まともな国民は必ずノーというはずです。

弁護士 玉木昌美